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かき氷は涼を感じる夏の風物詩。日本独自の特徴と味わいを解説します。

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世界各地では年々気温が上がり、特に夏は暑さが厳しく感じられるようになりました。
そのような状況下で注目を浴びているのが、「冷たいスイーツ」です。

特に削った氷の上に甘いシロップをかけた「かき氷」は、日本の夏に欠かせない風物詩となりました。
この記事ではかき氷について、日本独自の発展と歴史、味の特徴について解説します。

日本における「かき氷」の特徴

日本でかき氷が生まれたのは平安時代(794年〜1192年)といわれています。
平安時代の随筆『枕草子』では、当時は「甘葛」(あまづら)と呼ばれるシロップをかけていたと紹介されています。

甘葛はツタなどの樹液を煮詰めて作る甘味料で、氷とともに高級品とされていました。

かき氷は口に運ぶと心地よい冷たさが広がり、厳しい夏の暑さを乗り切るのにぴったりの逸品です。
また、お祭りの屋台でも人気のメニューとして挙げられています。

ここからは日本におけるかき氷の特徴を挙げていきましょう。

① カラフルなシロップを上から回しかける

日本ではトッピングの代わりに、「氷みつ」と呼ばれる甘いシロップを氷にかけるのが主流です。
このシロップは1970年代(昭和中期)の高度成長期に生まれたといわれています。

味はいちご、メロン、レモンといったフルーツを模したものが挙げられます。
この他にも独自の発展を遂げた味もあるので、ご紹介しましょう。

  • ブルーハワイ
    鮮やかな水色のシロップで、ラムネに近い味わい。
    一部の地域では「ハワイアンブルー」と呼ばれることがある。
  • ジュース
    コーラ、乳酸菌飲料の原液をシロップ代わりに使うことも。
    シャリシャリとした氷の食感と甘いジュースの味わいが相性抜群。
  • 抹茶
    濃い緑色をした抹茶の味わいをしたシロップが販売されている。
    砂糖を混ぜているため、通常の抹茶よりも少し甘め。
  • コーヒー
    濃く淹れたコーヒーを氷の上にかける。
    練乳を添えるとカフェオレのような味わいになり、苦さと甘さのバランスを楽しめる。
  • 梅酒
    甘い梅酒をシロップとして活用したもの。
    お酒を使っているため、20歳になってから食べられる大人の味である。

なお、一般的にかき氷のシロップはどれも同じような味わいであるといわれています。

それでも、彩り豊かな美しい見た目には心惹かれるものがあります。
どの味にするか選ぶ時間も、かき氷の楽しみのひとつといえるでしょう。

かき氷の上からシロップを回しかける様子。
シロップをソーダ水と割り混ぜ、上にアイスクリームを乗せると「クリームソーダ」としてのアレンジも楽しめます。

② 和風の名前を模したかき氷も有名

日本の土地や天候をモチーフにした名前のかき氷も人気です。
ここでは有名な3つのかき氷をご紹介します。

宇治金時 (うじきんとき)

抹茶味のシロップの上にあんこを乗せたかき氷です。
使われている材料から、別名「抹茶小豆」(まっちゃあずき)とも呼ばれています。

名前の「宇治」は京都を中心に栽培されている「宇治茶」が由来です。
また「金時」は日本の食材で使われる名前ですが、ここでは小豆を材料にしたあんこを指しています。

みぞれ

シロップの代わりに砂糖をとかした水をかけたもの。
天気の種類である「みぞれ」から連想して名前がつけられました。
先ほどお伝えしたシロップが、無色透明のものを使っているイメージです。

似たようなメニューとして、かつては砂糖を直接氷にかけた「雪」というかき氷が存在していました。
しかし、残念ながら「雪」は現在のかき氷ではほぼ作られていません。

白くま

鹿児島県で生まれたご当地のかき氷です。
練乳をかけた氷の上に、フルーツや小豆をトッピングしています。

「白くま」の名前の由来は、当時練乳の缶に白熊の絵柄があったのがきっかけです。
さらに現代ではこの名前から連想して、白くまの顔をトッピングで飾りつけています。

③ かき氷とセットになった「氷旗」が有名

日本におけるかき氷には、「氷旗」(こおりはた)と呼ばれる旗が欠かせません。
「氷旗」とは、白地に赤い文字で「氷」と書かれた旗です。

この旗の誕生の由来は、かつてかき氷の製造・販売が国の許可制だったことが挙げられます。
「衛生検査に合格した氷の生産地・販売者名」を示したのぼりや看板を掲げる事が、当時は義務付けられていました。

氷旗が生まれたきっかけとなった流行と社会問題

かき氷の製造・販売が国の許可が必要となった理由は、天然氷にまつわる社会問題が背景にあります。
特に、粗悪品の取り締まりを行うことが課題となりました。

冷凍庫がなかった時代。氷は古来から高級品とされ、限られた特権階級にしか得られない貴重品でした。
そのため、品質の良い天然氷を味わうことは人々にとっての憧れだったのです。

明治時代に入ると、アメリカ・ボストンで生まれた天然氷である「ボストン氷」が横浜港で輸入されます。
ボストン氷は高価ですぐ溶ける特性を持っていたことから、日本でも天然氷の製造が始まりました。

その際、北海道函館市で生まれた「函館氷」(はこだてごおり)は宮内庁御用達の品として成功を収めます。

函館氷の成功に続くように日本各地で天然氷が作られました。
しかし、残念ながらその中に不衛生な水で作られた氷が混ざって流通してしまったのです。

明治政府はこの対策として、「氷製造人並販売人取締規則」を交付しました。
この規則によって、現代の氷旗が生まれたのです。

ちなみに氷旗の下に海の絵柄があるのは、氷が海を越えて運ばれたのが由来です。

人工氷の誕生とかき氷の大衆化

その後1883年(明治16年)になると人工氷の生産が拡大します。
これが転機となり、1887年(明治20年)以降に入るとかき氷は庶民の生活にも広がっていきました。

現代では人工氷は別名「純氷」と呼ばれ、シロップの味や香りを引き立てる特性を持っています。

日本と形が似ている世界のかき氷2選

世界各国では、古来から氷を使ったスイーツが夏に愛されてきました。

日本との主な違いとして、トッピングにカットされたフルーツやきな粉、餅などのトッピングが加わることが挙げられます。

しかし、実は日本のかき氷をベースとして発展した世界のかき氷も存在するのはご存知でしょうか?
ここでは代表的な2点をご紹介します。

刨冰 (バオピン:台湾)

刨冰(バオピン)は台湾の伝統的なかき氷です。
その誕生は日本統治時代(1895年〜1945年)に遡ります。

日本からの移住者が持ち込んだ、日本のかき氷が原案だといわれています。
当初は日本と同じく、削った氷にシロップをかける手法でした。
その後一口大にカットしたマンゴーやフルーツをトッピングする独自の発展を遂げています。

伝統的な刨冰は、氷をやや粗めに削る方法が一般的です。
トッピングはお皿の底や氷の周りに置き、マンゴー以外にもタピオカや小豆がどっさりと盛り付けられます。

1990年代に入ると、刨冰から派生した雪花氷(シュエフアーピン)と呼ばれるかき氷が誕生しました。
雪花氷で使われている氷は牛乳や果汁を混ぜて作られます。
この氷を薄く削ることで、口どけの良い氷が楽しめるのが魅力です。
現代では台湾式のかき氷が日本に逆輸入され、若者を中心に人気を博しています。

シェイブアイス (ハワイ)

シェイブアイスはハワイで有名なかき氷です。
1800年代に日本からの移住者が、農作業の合間に食べていたかき氷をもとに生まれました。
当時はシロップの代わりに、砂糖やジュースをかき氷にかけて食べていました。

シェイブアイスは日本のかき氷同様、カラフルなシロップをかけるスタイルが定番です。 
形は日本のかき氷と似ていますが、違いは使われるシロップの数が挙げられます。

日本のかき氷は原則1つのシロップを使いますが、シェイブアイスは複数のシロップを使います。
まるで虹のような華やかな見た目は、ハワイの定番スイーツとして多くの人から愛されています。

まとめ:
夏の風物詩であるかき氷は、人々に憧れと影響を与えてきた

かき氷は高級品から、多くの人々が愛する夏の風物詩として変化していきました。

大衆化には氷への憧れから試行錯誤した先人たちの力添えが大きく影響しています。
また、台湾・ハワイへの移住時に日本のかき氷が輸入され、各地域で独自の発展が行われていったのも見逃せません。

現代の日本では世界のかき氷に影響を受け、さらに新しい味わいが日々研究されています。
日本の夏を代表するかき氷で、暑さを吹き飛ばしつつお気に入りの味わいを見つけてくださいね。

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