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足利銘仙を現代に復活 

ガチャマンラボの取り組み

一度は衰退してしまった足利銘仙ですが、現代に復活させようとしているのが、

ガチャマンラボです。織物業を営む親戚の手伝いで海外への売り込みを行った際、生地のバリエーションが少なかったので、足利銘仙を持参したところ、着物幅(36㎝)ではなく洋服幅(1m)で足利銘仙を作れれば、高級ブランドの間でとても人気になると声をもらい、一念発起。

かつて足利銘仙の製作に携わっていた人を探し出し、話を聞き、どうすればまた足利銘仙を

リサーチしました。足利銘仙の製作は分業されていて、職人さんを繋ぎ合わせ、

全体をコントロールできないと復活できないという壁もありましたが、

一つひとつの工程を着実に復活させていき、8年ほどかけて足利銘仙の生産体制を整えていきました。

パリコレクションへの出展

復活に向けて試作を重ねていく中、栃木県のビジネスプランコンテストで優勝を飾ったことが契機となり、少しずつ足利銘仙が認知されるようになります。

その後、海外ブランドのデザイナーや著名なスタイリストなどが次々と訪問するようになり、2021年、足利銘仙はパリコレに出展する高級ブランドの看板商品として、世界に発表され大きな注目を浴びるようになりました。

現在、足利銘仙はブランドのこだわりとして象徴する折本として、高い人気を誇っています。


ガチャマンラボとタッグを組むのが、「鶴貝捺染工業有限会社」の鶴貝雅廣さんです。

約6年前から一緒に活動を始め、現在は鶴貝捺染が柄を作り、ガチャマンラボが生地を織ることで〝世界の足利銘仙〟を目指しています。鶴貝さんは、洋装に合わせた広い幅で染められれば小幅な生地より売れると考え、何度も失敗を重ねた末に、今や世界で唯一人、1メートル16センチという広い幅で銘仙をプリントできるようにまでになりまました。

「足利銘仙」という名称は特許庁の〝地域団体商標〟に登録されています。


繊維産業が抱える問題

これは足利だけの問題ではありませが、日本の各地で起こっている問題です。

足利産地には伝統的な織物技術の伝承や織機の維持のために、自らの貯金を取り崩して、糸を作り、織機を動かしている高齢の職人さんがいます。

ガチャマンラボの高橋代表は繊維とは全く関係ない仕事をしていたのですが、その職人さんとお話する機会があり、その情熱や使命感に感銘を受け、また、織物によって礎を築いた足利市の人間として、どうにか地場の織物産業を復興させたいとの思いが強まり、個人的に流通先を探し始めました。


(当時、日本の生地はほとんど使われていなかったメゾンブランドでの採用)

ガチャマンラボの高橋代表は、織物の素人同然でしたので、

はじめは誰にも相手にされず、周囲からも(もう足利の織物は終わっている)と大反対を受けたそうです。活動していく中で、国内では価格的な面で、取り扱うことができるブランドはほぼないということを知っていき、思い切って欧州のトップブランドへ自ら赴き、営業活動を開始しました。その際、30社以上に飛び込みで営業をかけ、パリコレクションへの道へと続きていていきました。


繊維産地の復興へ

繊維業界の構造として、生地の在庫過多も各地で問題となっております。

今回ご紹介をした足利の両毛地区では約50億ともいわれている、使われていない生地があります。アパレル業界の構造として、毎年新しいものを作ることが主流となっていますが、

こういった生地在庫の問題に目をつけていかなければ、日本の繊維業界はもっと衰退をしていってしまいます。海外での評価を期待するだけではなく、日本のものつくりを日本人の私たちが見直さなければいけないのです。

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