
400年続く有田焼の伝統
有田焼の代表的な3つの様式
伝統とは、(生きて流れているもので、永遠に変わらない本質を持ちながら
一瞬もとどまることがないのが本来の姿である)
意図していなくともそこに在るモノが伝統、と言われています。
有田焼は400年続いていますが、苦労をして始まっていった時代から、海外に飛躍した時代、江戸時代の日本人の暮らしを支えた時代、西洋文化に合わせて変わっていく時代、そして今とこれから、有田を代表する3様式とともに、今の有田焼をご紹介していきたいと思います。
有田焼は朝鮮の磁器焼成の技術を元に、中国の技術、
日本の陶工の技術、三つの技術があり、有田焼が出来上がりました。
有田焼には、【古伊万里様式・柿右衛門様式・鍋島様式】と呼ばれる代表的な3つの
絵付けの様式があります。初期の有田焼(古伊万里)のころ、江戸時代は景徳鎮から輸入される色絵は染付への憧れがあり、染付は中国に準ずるものが多くみられました。
次第に日本的な工夫がなされ、グレードがあがっていき(柿右衛門様式)(鍋島様式)が完成していきます。
古伊万里様式
濃い染付と、金襴と呼ばれる赤や金の絵具を贅沢に使った様式です。
濃い染付の素地に、赤や金の上絵の具を贅沢に使った作品や、色絵の上に金泥や金粉で豪華な模様をあしらっているのが特徴です。当時の元禄文化を反映して豪華絢爛な絵柄が特徴です。植物や動物、幾何柄、唐草模様などが描かれています。
名前は有田に隣接する伊万里港から積みだされたことに由来しています。

柿右衛門様式
乳白色の地肌に赤色の色絵を描く手法を、柿右衛門様式といいます。
濁手(にごしで)と呼ばれる乳白色の綺麗な背景に、余白を十分に残しながら、
繊細な黒い線と、赤・緑・黄・青の色で花鳥風月を描いているのが様式の特徴です。
また、絵柄は左右対称に描かれています。
日本独特の花や鳥や景色をそれまでの色彩とは違い、赤や青、黄色や緑を使って表現、
左右対称に絵付けをし、もみじや鹿などの決まったパターンの特徴的な図柄があります。柿右衛門式は、ヨーロッパを意識した染付でジャポニズムを世界に向け発信していきます。

鍋島様式
鍋島藩直営の御用窯で、献上品として特別に作られました。
乳白色の上に余白を活かした鍋島様式は、青みを帯びた地肌に裏模様が描かれ、くし高台が施されていることが特徴です。江戸時代、徳川家や大名の献上品として作られていましたので、格式のある格調ある美が特徴です。

ここまで、有田を代表する3様式をご紹介いたしました。
有田焼といえば、華やかで豪華な絵付け、和の絵、という印象の方もいらっしゃるかと思います。(私はそうでした・・)
では、現代の有田焼はどう進化をしているとおもいますか?
(暮らしに寄り添う、料理と器)を制作している、
渓山窯を最後にご紹介していきいと思います。

それがそこにあることで、食卓が豊かになる。それを使うことが、とても心地よい
自分たちのオリジナルの有田焼を、自分たちの手でつくり、届けていきたい。
そんな思いで作られている渓山窯の器は、今の暮らしと調和した器です。
絵付けの図柄や文様は、古きよき有田焼の柄に、職人のセンスと現代のエッセンスを採り
入れています。

白磁器を悠々と泳ぐくじら柄、
職人が一つ一つ手書きで書く絵柄にはユーモアと温かみがあります。
こちらの画像は酒器を花瓶として利用していますが、
絵柄が暮らしに馴染むと、ひとつの用途だけではない広がりが生まれます。

暮らしの中に豊かさを感じてもらうこと、
本質は変わらずに、その時代に存在していくこと、
有田焼400年の歴史はこの先も続いていき、
私たちの身近に空気の様に存在し続けるのです。













